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建築行政情報化センターは6月11日から、「建築確認申請書作成プログラム」の新版「バージョン6.5」をインターネット上に無償で公開した。同センターの特設サイトからダウンロードできる。

同プログラムは、全国の特定行政庁や指定確認検査機関で構成される任意団体「建築確認支援システム運用協議会」が開発した確認申請用ソフト(Windows版のみ)。パソコン上で所定の欄に必要事項を記入したり、メニューから該当するものを選択したりするだけで、建築確認申請書類を簡単に作成できる。申請書類を印刷するだけでなく、電子データのまま行政庁に提出する「FD申請」にも対応している。民間ソフト会社の確認申請ソフトはいくつか出ているが、行政庁が開発にかかわったいわば「公式」のソフトとしては唯一のものだ。

 旧バージョンの6.4は、ソフト1本当たり2万5200円で、購入時から次年度末までのサポート料金が含まれていた。新バージョンは無償のため、サポートは受けられない。サポートが必要な人は別途、年会費3780円の「サポート会員」に登録する必要がある。
 昨年6月時点での登録ユーザーは約1万2000人。同センターは無償化によって、ユーザーの拡大を狙う。
 無償化のきっかけは、昨年実施したユーザーアンケートだったという。「ソフトが無償で公開された場合に、有償でサポートを受けるか」という質問に対して、「サポートを受ける」と答えた人が回答者の57%に上った。同センターの宇野博之専務理事は「思ったより有償サポートを受けるという人の割合が多く、勇気づけられた」と打ち明ける。この回答から同センターは、サポート収入でやっていけると判断し、ソフトそのものの無償化に踏み切った。
 なお、この夏にはオンライン申請に対応した「バージョン7.0」が公開される予定だ。このソフトを使えば、特定行政庁などのもつサーバーにインターネットで接続し、オンラインで申請データを送ることができるようになる。「大規模建築では無理だろうが、戸建て住宅程度のものならば、行政庁に全く足を運ばなくても確認申請ができるようになるだろう」と宇野氏は話す。

 ただし、オンライン申請をするためには、申請先の行政庁などが対応していなくてはならない。普及するにはもうしばらく時間がかかりそうだ。

(日経アーキテクチュアより)2004/06/11
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